ホラー映画は良いって話

ホラー映画は良いって話をしたい。私はホラー映画が好きだ。8歳頃のこと、学校で、最近見た映画の話題になった時に、皆がディズニープリンセスジブリをあげている中、1人だけ「伽耶子」と言ったことを覚えている。両親は何を見せるとか何を見せないといったことに案外無頓着で、好きな映画をゲオで借りさせてくれていた。

 

こういう風に書くと映画好きのように見えなくもないが、そういうわけではない。映画自体は苦手な部類である。理由は疲れるから。ぬるぬる動く壮大な映像、しかも2時間足らずの中に起承転結が詰め込まれているのが映画である。一度見たら最後、エンドロールの頃には感動の渦に呑まれて1週間は元に戻れなくなってしまう。フォレスト・ガンプをはじめて見たときは本当に2時間くらいランニングした。変に自罰的な影響を受けやすいのだ。だから良い映画であればあるほど感動と自己研鑽を強いることになってぐったりくる。

 

その点、ホラー映画は良い。感動なんか一切ないし私に変化を求めてきたりしない。ぎゃ〜っと叫んで、夜お風呂に入るのが怖くて、眠る時もドキドキするだけ。怖い以上のものがなにも発生しないのだ。感動や面白いや泣けるという感情を提供する娯楽と、恐怖を提供する娯楽はここで一線を画しているとおもう。

 

怖いものをつくる人間は、相手が怖がってくれること以外を考えていないだろう。感動して自己を大事にして欲しいとか、自然の大切さに気づいて欲しいとか、そういう説教臭さがない。そのシンプルさも好ましい。(もしかしたら命の大切さを見つめ直して欲しいとか考えているのだろうか?と書きながらふと思った。まさかね。)

 

ホラー映画、みんなも見てね!